2008年7月24日

「出ふるさと記」池内紀

Sub13_album_image_3


「それは思考にとっての論理(ロジック)と似ている。

考えるためには形式上であれ論理がなくてはならない。=略=

そして思考が論理を超えていくものであるように、

何よりも超えるために、そこから出ていくためにひとはふるさとを持たなくてはならない。

ふるさとを持たないで老いるのは酷いことだ。」

と、「はじめに」の末尾にある。

さまざまな文学者について述べられている本だが、

この「はじめに」が一番、深く読み込みたい文章だった。

氏いわく、「持ちはこびのできるふるさと」とは、身近なところでは《本》も入るだろう。

携帯電話でないような気がする。

いつか取材でふらりと本六へ入ってこられた池内さんは、とても素敵な大人の人だった。

Back to top