2008年7月24日
「出ふるさと記」池内紀
「それは思考にとっての論理(ロジック)と似ている。
考えるためには形式上であれ論理がなくてはならない。=略=
そして思考が論理を超えていくものであるように、
何よりも超えるために、そこから出ていくためにひとはふるさとを持たなくてはならない。
ふるさとを持たないで老いるのは酷いことだ。」
と、「はじめに」の末尾にある。
さまざまな文学者について述べられている本だが、
この「はじめに」が一番、深く読み込みたい文章だった。
氏いわく、「持ちはこびのできるふるさと」とは、身近なところでは《本》も入るだろう。
携帯電話でないような気がする。
いつか取材でふらりと本六へ入ってこられた池内さんは、とても素敵な大人の人だった。