2008年10月10日

「寡黙なる巨人」が小林秀雄賞受賞 。

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E・キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」では死を受容するまでの5段階が定義されているが、ある意味で「寡黙なる巨人」では、死から再生までが綴られている。
01年、脳梗塞の発作で突如として右半身不随、言葉を発せられなくなるという障害を負ってしまった免疫学者、作家の多田富雄さんは、苦闘の果てにやがて自らのうちに「寡黙な巨人」を見いだす。不自由な指でうたれた文は、無駄がなく、それでいて丁寧な筆致である。
ご近所繋がりで、いつぞやはシルクスクリーン作品をお買い上げいただいたが、なんと横にして飾っておられるという多田先生である。感慨深く拝読した。
 それにしても、賞の選考委員(雑誌「考える人」主催)の面々、かなり濃い。なにもここまで揃えなくともよいのでは…などというのは、余計な感想ですね。


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