2009年6月13日

「科学の落とし穴 ウソではないがホントでもない」池内了

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宇宙物理学の専門家の池内さんが、2004年から四年間にわたって、
新聞や雑誌に綴ってきたエッセイをまとめたものです。
科学者の目から、時事的な問題なども取り上げて語っておられるのだが、
読み進みつつ、いやはやたったの数年間でも、
世界的にいろいろビックリすることが、起こってしまってきているのだな、
と、今更ながら思い出し、怖くなったり。

常識的なことをきちんと伝えてもらえないと、もう何が何だかわからない時代になっている。
ひとりでがんばろうとしても、忙しさに染まり、肝心なことを見落としたり、
考えが浅いままに通り過ぎてしまったりする。
参ってしまう前に立ち止まって、こういう地味で貴重な本を、
自分と引き合わせながら読みたいと思う。
一方で「日本の難点」(宮台真司)という新書を読んでいたが、
ハウツウもの(?)でない分、こちらのが信頼に足る。もちろん、想像力の問題もあるだろうし、世代差、専門分野も違いますが。

電車の中で読んでも、面白いよ。
寺田寅彦の随筆もまた、読みたくなってきました。

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