2008年10月9日

カミユでなく、デフォーの「ペスト」

Sub13_album_image_19
 

価格を記していなかったので、お客様から“お取り置き”にしてと言われた中公文庫である。
 何気に読み始めたがなかなかの名著で、読了してから棚に戻すことになりそうです。
しかしこの文庫、ものすごい長編である。
(だから絶版なのか)。
 デフォーは「ロビンソン・クルーソー」の作者だが、敏腕ジャーナリストだったそうで、実際に見てきたかのように17世紀イギリスのペストの大厄禍の有様が描きだされている。
 しかも単なる叙述でなく市民たちの仔細な心情や信仰、当時の政府の方策に触れつつ、冷静に感染症の恐怖を記して世に知らしめようとしている。だから長々しい読み物にもかかわらず飽きない。六分の一の人口が一挙に消滅するというのは、想像が難しい。もうSFだ。
 話は変わるが、鳥インフルエンザ、タミフルについてのその後について新聞、テレビで知らされない。ネット検索で間に合うというのか。
アバウトな取捨選択による、国内どこも同じの「ニュース」にはやはり不安を覚える。


Back to top