2009年2月28日

 「世界図絵」 コメニウス

Photo_5

教育者のヤン・アモス・コメニウス(1592~1670)が、
子どもたちの為に作った絵入り百科事典、
初めての絵本とも言われています。。
コメニウスはチェコ生まれ。ラテン語、神学を学び教師になりますが、
プロテスタントだったため、30年戦争で故国を追われ、終生ヨーロッパを流浪しました。
スコラ哲学に由来する汎知学体系をこの本は具現化しているそうです。
興味深い木版画を眺めつつ、世界を(ラテン語)を学べるのです。

図絵36に、「人間の七つの年齢段階」というのがあります。
「人間は最初赤ん坊です。次に少年」ときて、
若年、青年、壮年、初老、晩年、と説明しています。
さらに「同様に女性の場合も、少女、娘、おとめ、婦人。初老婦人、晩年の婦人」とあります。
前回取り上げた現代の書「大人の心の…」の、あまりに大雑把な分類に唖然としましたが、
17世紀の汎知学は、意外にきめ細かく、リアルなのでありました。
時々、開いて見ています。
「世界図絵」は平凡社ライブラリーでも刊行されています。

Back to top