2008年12月2日

「新世界より」貴志祐介 

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第29回日本SF大賞に選ばれた貴志祐介さんの長編小説。
2008年の今年、初めて読んだ小説だった。
前篇にひたすら圧倒され、周囲のSF好きの人たちに薦めていた。
が、後編の大殺戮場面にはどうしても馴染めず、居心地が悪かった。
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」の戦闘場面を重ねたりなどしたのだが、
これまでの貴志作品とは異なる新境地でありながら、
エンターティンメント道を決して外れない作家魂、強靭さを強く感じた。
(献辞に知人のお名前が挙げられていたのもとてもうれしかったことである)

ところで、この本は自宅の町の駅前の小さな書店店頭の文芸コーナーで上下とも買ったのだが、
驚くべきことに1年経った現在(08/12/2)まで、ずっと平積みされている。
店長さんが貴志さんファンなのだろうか、
文芸書にこだわりがあるのか謎であるが、なんとなくほっとする、素敵なことである。

 

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