「夏への扉」(新訳版) ロバート・A・ハインライン
この前、ある小説をある人に紹介したら、その人がとてもよかったと喜んでくださいました。
あの面白さを共有できて、嬉しかった! 私は小説を読むのが好きな人と、やはり安心して話ができるんだと、最近気づきました。
さて、夏も終わりに近づいているのに、「夏への扉」を紹介するというのもなんですが、
新訳が出たので、ちょっと。
「夏への扉」(1957作)は、猫好き、本好きなひとだったら、絶対、読んでいるに違いない名作ですね。今年も、いろいろなところで、この名作の紹介記事を目にしましたっけ。
私も何回も読み返しています。たとえばやはり何回も読んでいる他の小説、「三四郎」とか「羊をめぐる冒険」みたいに、読後感が悪くない小説だからです。ストーリーだってホント面白いし。20数年経って文庫の紙は茶色に変わりカバーもぼろぼろになってしまいました。
ちなみに上右に立てた文庫は、買い直したきれいな方の文庫です。
「本六」のホームページにも、実は意識して使っているのですが、魅力的な「扉を出入りする猫」、・・・ここに登場するのもそんな猫(彼)です。
でも、やっぱり印象に強く残るのは、人間。人が好いがために不遇な境遇に落とされてしまった人間の方の主人公です。その大切な「つれあい」として、猫が存在しています。ありがたいことです、まったく。
タイムトリップものですが、主人公に同情しつつ、彼がどん底から少しずつ頭をあげて、実行あるのみって、進んでいく不屈の行動に、勇気をもらえます。恋だってあるし。
なおかつ、半ばからのスピーディーな展開に心躍ります。「バックツウザフィーチャー」みたいだぞ。うわぉ~!
すいません、つい、興奮してしまいました。
さて、福島正実さんから、46年ぶりの小尾芙佐さんの新訳では、どんな感じに変わって(?)蘇っているのでしょうか。
私自身もやっとのことで立ち上がり、歯医者さんの帰りに寄った本屋さんで、この本を手に入れました。
本屋にも満足に行かれない生活からしばし離れ、早く帰って読みましょう。私の夏はこれからだぞ~。