2008年12月1日

「ボドロ島」L・P・ハートリー

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イギリスの作家、L・P・ハートリーの怪奇小説集。
この本の説明には「恐怖」と書いてあるが、「怪奇」と呼びたい。
しやはや、古典的名作だなぁ!

ところで「怪奇」小説とはどんなものだろう。
日本だと江戸川乱歩がすぐ頭に浮かぶ。海外だったらやっぱり元祖ポーですね。幻想色が強いポーに比べると乱歩はちょっとやり過ぎ、マニアっぽくてベタだ。
また「怪奇」と「ホラー」とは、どうもイメージが異なるように感じる。

際には描かれていない場面を読者に勝手に想像させて、それがなんだかはっきりせず、あるいはさっぱりわからないと、もしかしたら自分はものすごく想像力に
乏しいのかも…なんて思わせられる、それが「怪奇」っぽいのかもしれない。片や「ホラー」はしっかりと気味が悪い(ずいぶん荒っぽい相違点の指摘ですが)

ハートリー小説はひたすらはっきりしない。
書かれていない部分が恐ろしいぞ。
昔、テレビで放映されていた「ヒッチコック劇場」のように、素敵に怖い短編集。

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