先週から、午前中の用事が長引いて、オープン時間がつい遅れてしまうことがしばしばですいません。
お昼に楽しみにいらっしゃるお客さまには、ご迷惑かけました。気をつけようと思います。
この前も、半分シャッターを開けて店内のお掃除を始めた途端に、若い男女三人、入ってきました。
課題の調査=取材だったのです。工学部の学生さん達、ですって。
テーマは、ものすごく大きく言えば「本」だったのですが、寒さに震えつつ箒を片手に応えているうち、
本当は考えているんだけど、しょうもない用事にかまけてふだんは深く思考することを止めている話題に触れ、気づくと、30分も熱く語っていました。
わぁ、掃除もしなくちゃなんないので、さあさあもう帰ってください、みたいに丁重に送りだしました。
発見は無いのですが、やっぱ自分てこういうことを常々感じているんだよな、とか、納得したのでした。
次の日、友人から、私が昔編集した本のことが雑誌に載ってるよ、見てみたらどう?
という電話があり、やむなく帰りがけに大型書店へと出かけました。
一応、雑誌をチェックして、ふむふむと。
特に必要でもなかったので立ち読みした後、棚に戻し、そこらへん周辺の雑誌をしばらくじーっと眺めて・・・。
ほらっ、やっぱり買っちゃったもんね。3冊も。1万円も使っちゃったよっ。
ここのところずっと書店に足を向けないでいるのは、つい買っちゃうからなんですよね。
でも、書評を読むのが好きなのはなぜ。買えなくても、いつか買おうと思うのです。
てか、読もうとね。
買ってしまった雑誌の中の1冊、「考える人」の“紀行文学”特集は、面白かったです。
この雑誌、皆さんが文章を大切にしているので、「読んだ気」がするという点で、お値打ちです。
そんなことが、まわりまわって、ひさしぶりに1冊の長編小説を読み始めるきっかけになりました。
「紀行文学」というアンテナに関連してひっかかった、古典的な小説ですが、本六にたまたま在庫していたので。
いつも本屋さんの棚の前にたつと、こんなにたくさん未知の世界があるんだなー、と感激して、
どれか選ぼうとしているうちに、あちこちの本に惹かれて、道草して、さまざまな興味が連綿と湧いて続いて行く。
これって、アマゾンからの“お勧め本”ではかなわないし、評価の☆の数にも引っかからない、まして、電子本世界には作れない環境、本屋さん独特の素晴らしい空間サービスでもあると思います。
取材に来た学生さん達よ、これが、言いたかったことのひとつです。
・・・・でもかつて自分が書いた本は、電子本にして売りたいと思うんだよね。オンデマンドにならないかなぁ。
私が運んだという噂が・・・・。ミステリアスなできごとです。