最近、眠る前に読んでいるのは、
ポール・ギャリコの「ほんものの魔法使」です。
矢川澄子の名訳ですし、面白いですね。
たいてい、途中で寝入ってしまうにしても。
魔法の都市<マジェイア>と、築かれた城壁で隔てた世界との間には、
<門>があります。
ふと、考えてしまう。<門.>とはなんだろう。
隔てているのか。つないでいるのか?
夏目漱石にも「門」という、どこか苦しげな窮屈な小説がありましたっけ。
村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」でも、
<門>はとても強い印象をのこします。
恒川光太郎の「雷の季節の終わりに」では、<穏>という世界と、
その<外>の世界を隔てつつ、
交流が可能な唯一の場、ピンポイントでした。
<門>とは、外と内との間で、危険ななにかを守っているのでしょうか。
でも、外と内というのは、真逆もありで、
どちらかどちらなのかなんて、本当はない、わからないにちがいない。
外と、内とは、異なるもの? 相反するもの? 違うものなのか?
<門>を構築しなければならないということは、科学的なことなのか、ケイザイ的なことなのか。
さすがに「魔法使」についての本だけあって、
マジカルな命題に突き当たってしまいました。
そういえば、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」では、
スフィンクスが、<門>の機能を果たしていました。
自分の中にも、<門>をつくっているのだろうか。
*画像は森田伊津美さんから送信されてきた写メール