2016年9月24日
月光に牽かれて。
【常設作品 紹介 藤岡篤】
今年の中秋の夜、みなさんは月を見上げましたか?
空は曇っていましたが、お月さんはうっすらと出ていました。
右に掲げた藤岡篤さんの猫たち、
みんな熱心に屋根の上から月を眺めています。
その向こうには、光に照らされた森、深い山奥へと続いています。
白猫は月光を浴びて、気持ち良く踊っているようです。
夏はいつまでも明るくて、どこまでも歩いて行けそうな気がしました。
でも秋口からは夜の闇が少しずつ深くなってゆき、家路を辿る歩みも、自然と早くなります。
煌々とした月光の引力に牽かれるかのように。
猫たちは朝までずっとここで、月を眺めているようです。
私も最近の帰り道、家の近くの十字路で空を見上げ、
お月さま、今夜もありがとう、と挨拶をしています。
猫たちもきっとそうだと思います。
さあ、秋です。
ココロの中を覗いていても、誰からも怪しまれない季節になりました。
本の中へ、映画の中へ、景色の中へ、音楽の中へ、絵画の中へと潜り込み、
月光によく似た灯りをチカラに変えて、身にまとおうじゃありませんか。
猫たちにまけないように。
・藤岡篤さんの猫たち 10月14日から、特集展示します。☆