2010年5月21日

「本の思い出」展の思い出として。

「本の思い出」にご来廊いただいたみなさま、ありがとうございました。

作家さん達に、この企画展のために挙げていただいた、

「忘れられないこの3冊」、引き続き、アップしておきます。

作品の画像は、今後、ゆっくりと少しずつアップしていきます。お楽しみに!!

 

 

渡辺美智雄

1.「世界名画全集」 ベン・シャーン 平凡社  高校時代に初めて買った画集

2.「David Hockney」 Portraits NPG  アメリカから買って帰った画集

3.「COXCODEX 1」 Paul Cox seuil  オリジナルのサイン入り画集

m.e.m(エメエメ)

1.(m.e.mようこ)「だれも知らない小さな国」

 出会いは小学校低学年。読み止める事が出来ず一気に読み、本を閉じても現実と物語の境界線が曖昧になって、そこかしこに小人が居る気がした感覚が今でも忘れられません。村上勉さんの挿絵とともに印象に残る本です。

2.(m.e.mようこ)「はてしない物語」

 こちらも出会いは小学生の時、本の装丁、挿絵、文字の色、総てに理由があり物語の一部として構成されていた事は、当時(今も)の私にとっては衝撃的。本を閉じても物語が溢れ出てしまっている感覚を持った事を記憶しています。文中に何度も登場する「けれどもこれは別の物語、別のときにはなすことにしよう」というフレーズが忘れられず、本からこぼれ落ちた別の物語を空想し書き留めたことも。創作への種を蒔いてくれたほんなのかもしれません。

3.(m.e.mまりこ)「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」

 読書する習慣があまりなかった私にその楽しみを教えてくれたきっかけの一冊。この本を機に村上さんの本をはじめ、「本」=人のもつイメージ、思考、というものにとても興味をもつようになりました。読み終えたあとは実は今自分が存在していると思う世界が、実は全く違うものとして存在しているのかもしれない、などと妄想を膨らませ、ひとりで興奮したのを覚えています。

森川美砂

1.「アンデルセン童話全集1」 訳者矢崎源九郎 講談社

 装丁も美しく、本を持つ喜びにあふれ、私の原点です。

2.「一千一秒物語」稲垣足穂 透土社

 これも装丁が素晴らしく、妹からの贈り物。夜読むとよく眠れる詩集なのでした。

3.「いのちの窓」河井寛次郎 東峰書房

 親友と京都の寛次郎記念館を訪れて見つけた本、というより言葉。心に響きました。

玻璃

1.「森有正論」 杉本春生 沖積舎

 子供の時から身近にあったこの本。成人して、実際にパリのノートル・ダム大聖堂の前にたった時のことは忘れられません。杉本は病床の中で、森有正の言葉に出会い、それによって支えられた・・・言葉というこの不思議なもの。

2.「夏祭浪花鑑」並木千柳他作、串田和美演出 シアターコクーン

 18世紀の大阪のアウトローと「明日に向かって撃て」の若者たちがオーバーラップする衝撃的なラストシーン。歌舞伎が元来持っていた魂を揺さぶる感覚を串田が見事に現代社会によみがえらせた。個人的に試練の年だった2002年を潜り抜けてみた舞台は心に染みました。

3.「いろいろあってもあるきつづける」田島征三

 本郷通りに28年間奇跡のように存在し、20104月に幕を閉じた食堂「おおきなカブ」は、食を軸に、人々の語り合う交差点でした。ある時期その場に置かれていたこの本は、それを手に取る人々をふわりと支えていてくれていたと思います。

中島由布子

1.「大理石」 アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ

2.「猫町」 萩原朔太郎

3.「錦の国星」 大島弓子

神戸美咲子

1.「100万回生きたねこ」 佐野洋子

2.「プラネタリウムのふたご」 いしいしんじ

3.「既にそこのあるもの」 大竹伸朗

渡辺眞砂

1.「魔術的芸術」 アンドレ・ブルトン 河出書房新書

 私が求めている“美しきもの”がすべて含まれいる

2.「砂の子ども」「聖なる夜」 ダーハル・ヘン・ジェルーン 紀伊国屋書店

 今だかって読んだことのない世界がここにはある。熱くなった砂漠の砂の上を裸足で歩くような危険だが、魅了されずにはいられない出来事の連続。

3.「サハラ幻想行」森本哲郎 河出書房新社

 ただただサハラへ行きたくなった。

西村敏雄

1.「ゆかいなさんぽ」土方久功 福音館書店

 のびやかに描かれた絵と話に影響を受けました。

2.「ガンピーさんのふなあそび」 ジョン・バーニンガム ほるぷ出版

 何度読んでも飽きない絵本!

3.「バルバルさん」 西村敏雄 福音館書店

 絵本デビュー作 ここからはじまりました。

阿部千恵

1.中勘助詩集

2.立原道造詩集

3.佐多稲子集

いなだ知紗

1.「いさましいアリのポンス」 いぬいとみこ  さ・え・ら書房

 祖父母の家にあって、遊びに行く度に読んでいました。小さなアリが大冒険するというのが魅力的で心惹かれました。

2.「ペンギンハウスのメリークリスマス」 斎藤洋  講談社

 ペンギンがとても可愛らしいだけでなく、読んだ後にとても幸せな気持ちになれる暖かいお話です。

3.「まっくろネリノ」 ヘルガ・ガルラー  偕成社

 小さい頃、一番のお気に入りの絵本でした。黒の幻想的な絵が印象に残っています。

一橋和義

1.「平静の心」 ウィリアム・オスラー  医学書院

 まっとうな医師の学生たちへのエール!

2.「生きがいについて」 神谷美惠子  みすず書房

 飾らない深い洞察が愛のまなざしで書かれています。

3.「夜と霧」 ヴィクトール・E・フランクル  みすず書房

 限界状況でのヒトの生態の記録。

斎藤理恵

1.「海からの贈りもの」 アン・モロウ・リンドバーグ  新潮社

 女性の生き方を深く見つめるリンドバーグ夫人の美しい表現力が素晴らしい。

2.「使いみちのない風景」 村上春樹  中公社

 人生は旅。私が写真に切り取った日常、旅先の風景も、確かに使いみちが無く、貴いです。

3.「雁」 森鴎外  新潮社

 この街、いつものあの坂道。物語の中の世界が今も変わらずそこに在る幸せ。

齋藤博

1.「1988
HUH PONG HWA COLLECTIION4 THE WONDER CLOTH
」 CHOGAKPO  韓国詩集博物会出版部 

2.「JAZZ」 WILLIAM CLAXTON  TWELVETREES PRESS

3.「ANTONIO
LOPEZ
」 小田急美術館  大石企画株式会社

黒木里衣

1.「上機嫌な言葉」 田辺聖子  海竜社

 田辺聖子の含蓄ある一言一言に救われました。

2.「人間失格」 太宰治  新潮文庫

 考えても、どうしようもないことを考えているような主人公。でも、その嫌な感じをつい読んでしまったような作品です。

3.「三言でいえば」 なだいなだ 角川文庫

 なだいなだという精神科医をはじめて知った作品で、とても読みやすくまたやさしい気持ちになりました。

川地あや香

1.「みそっかす」 幸田文

 みずみずしい言葉たちがつまっています。

2.「風葬の教室」 山田詠美

 少女の生き生きとした表現が魅力的です。

3.「食のクオリア」 茂木健一郎

 私たちの脳と食の関係の本です。

小雅堂(三浦雅子)

1.「文体練習」 レーモン・クノー

 360°からモノを見ることを教わった。

2.「聊斎志異」 蒲松齢  

 中国志怪小説の至宝。書き過ぎないので想像力の余地がある。

3.「宝島」 

 定番「原型」的小説。

ヤマゲンイワオ

1.「壁」 安部公房 新潮文庫

2.「ダンス ダンス ダンス」 村上春樹 講談社文庫

3.「変身」 カフカ

梶野沙羅

1.はなのすきなうし/マンロー・リーフおはなし、ロバート・ローソンえ、光吉夏弥訳/岩波書店

このストーリーは何度読んでも一番好きです。

2.かえってきたきつね/岸田衿子・文,中谷千代子・絵/講談社

お話というより、色とりどりの挿絵がいつまでも忘れられない一冊です。

3.牧神の午後//北杜夫/中央公論社

森の描写が美しく、記憶に残っています。

 

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