イブニンとモーニン©が語る、葡萄の真実とは?
モーニン: ひさしぶりです。こんにちはー。
ずいぶんと長い間、ここに出てきてませんでしたが、あたしたちは元気でやってます。
ギャラリーの暑い二階で、ときどきはかき氷やスイカを食べて、涼んでいるの。二階にはね、扇風機もあるんです。
おーい、イブニンもごあいさつしないとだめだよ。
私たちのこと知らない人のが最近は多くなっちゃってんだからね。時代は刻々とかわってんのよ。
イブニン: こんばんは。
M: って、イブニンがこんばんはなら、あたしはおはよー、か。
ねえ、うさぎの店長がツイッター始めてから、あたしらにめっきり声がかかんなくなっちっゃたよね。
E: てか、やっぱ、ぼーっとした時間がないと、ボクらは出てこない、声も聞こえないし、完全に消えているらしい。
M: そうね。・・・・ところで部屋ん中で、なんでサングラスなんかかけてんの? しかも、なんつー似合わない。
E: 余計なおせわ。ちょっと考えごとをしてるの。闇の中でしか、考えられないの、ボク。イプニンだからねっ。ひひっ。
M: なにカッコつけてんだか、ねえ、それよりその葡萄、あたしにもいただけるかしら。
E: はい、どうぞ。美味しいよ。
M: 古いフランス映画ん中で、女優さんがキッチンで、紫色の大きなブドウを皮ごと食べていたシーンがあったの。それがすごーく美味しそうで、かつ優雅なの。で、あたしもそれからはこうして、皮ごと食べるようにしているの。
E : はあ。消化には悪いかもしれないけど、ぷにゅぶにゅの実に皮の確かさが融合して、ちょっと大人っぽい味になるよね。
ところでさ、問題は実はこの葡萄なんだな。
M: というと…?
E: いや、そんなに真面目に問われても。てれちゃうなぁ。
M: 照れるようなハナシか。なんか聴きたくない、いいよ。
E : そういわないでよ。あのね。前回のホットケーキ41のブログ、フェンスの葡萄の話でしょ。あれが。
M: あれが?
E :あれがね。
M: あれが?
E: あれがね。
M: あれが?
E: あれがね。
M: ううっ。イブニン、もうやめよーよ。
E: ハイ。あれがね、本当は野性じゃなくて、家の人が、フェンスに這わせたのでは、という疑問が。
M: どひぇ。ということは、すべて店長の勝手なモウソウ。都合のいい解釈。ええかっこしいの記事だったという・・・。
E : ま、それだけじゃないよ、都会っ子だから、無知だったのよね。店長。
M: でも、同じ都会っ子のイプニンなのに、なんでそう分かったわけ?
E: あくまでも想像の範囲だけど。
ボクは昨日、暑いので頭を角刈りにするために理容室に行ったんだけど、店の前に置いてあったんだ。
M: うっ、すっ捨て猫かぁ。
E : じゃないって! あのね、葡萄鉢なの。
朝顔やほうずきの鉢みたいに、丸い輪っかがたててある鉢で葡萄がなっていたの。ちっちやいけど。
つまりさ、弦がある植物は、簡単に紐でも棒でもフェンスでも、はわせることができるってこと。
M: つまり、あのでかい屋敷の住人は7メートルくらいあるフェンスに葡萄の弦を這わせて、生垣みたいな目隠しにしようとしていたと、いうことですね。
E: 発展しすぎだけどそうよ。確信もないのですが、野鳥があそこに種を落としたとは考えにくい。
M: それはそうかも。あの家の隣には栗の木があるけど、葡萄棚はなかったよね。
E: そうそう。ま、そんなことを考えていて、ちょっと店長の先走りをチェックしないとね。ボクらは。
M: やれやれ。そんなときばっかり、あたしたち登場するのかな
E: つうか、やっぱりなんとなく力が出ないんだろうね。今夏は。でももうすぐ夏休みをとるらしい。
M; あたしたち、店長の留守を守んないとね。葡萄食べながら。
E: 帰ってきてから、ボクたちどんどん登場したいね。店長の頭の中だけじゃなく。ギャラリーの硝子戸の外へと。
M: うん、硝子戸の中だけじゃなくてね。外へ、前へ、明日へGO。
ふぅ。もう参りましたわ、今夏は。涼みにちょっとだけ、外に出してもらいましたの。