小雨の夕刻、千駄木でディナー     {ホットケーキ35}

2011年5月31日

 

先日、千駄木の「古書ほうろう」さんに、お預けしている「ヴァリエテのおもちゃ箱」をチェックしに行きました。

今週は内容を替えようと思っています。乞うご期待。

 

一緒に行った友達は、ほうろうさんで他の本屋さんではあまり目にしない、映画関係のきれいな写真がたくさん載っているムック本を買い、私は「冬の夜ひとりの旅人が」(`88 京都 松籟社 イタリア叢書1 )というイタロ・カルヴィーノの本を買いました。カルヴィーノのこんなタイトルの小説は知りませんでした。面白そうです。カバーは外されてついてないのですが、どんなデザインだったのかと、気になります。

この本を見つけたのは、お店の奥の左側にある、二冊500円、一冊300円のコーナー。お気に入りコーナーです。いろいろ組み合わせられて、ワンコインでお持ち帰りというのは、とてもお得感があります。

以前本六で、バレンタインデーのプレゼント用に、本をセットして売ったことがあります。セット売りで価格もサービスしていたのですが、でもきっと、お客様にはお得感はなかったと思います。もっとも「ドラキュラせっと」とか、「赤い本せっと」とかでは、「わけわかんない感」のが強いかも。ちょっと、うちでも、均一コーナー作りをしてみようかな。

 

・・とか思いながら、小雨の千駄木を夕食を食べるレストランを探していたら、四つ角の信号で、お客様のTさんにばったり出会いました。近辺に詳しそうなTさんにお奨めのお店を二、三教えていただき、一軒のイタリアンへと行きました。

 

素敵なインテリア、おうちではなかなか作れないお味、手打ちパスタもお料理も、美味しかったです。きゅうりのソース、アユのから揚げ、・・サービスもいいし、価格もお安いと思いました。

 

Tさんのおかげさまで、想定外の優雅なディナーとなりました。

代官山にもありそうな、こういうお店は普段着ではなかなか行けないかもしれません。予約のお客様も多いようで、こころなし、私より年齢的にも若いお客様が多かったです。

周りの人たちはごくフツーに、素敵なレストランでのひと時を満喫されていたようでしたが、

でも私は、ちょっとだけ緊張してしまいました。

 

若い時はともかく、年を取るごとに、「おうちでの食事がとにかく一番」になっていき、外食も近所に限りで、わざわざどこかに食べに出かける機会はどんどん減っていくばかり。だから、初めてのお店は緊張してしまうのでしょう。

 

若い時はいろいろなお店を面倒がらずに調べてでかけたりしましたし、先輩からごちそうになる機会も多々ありました。

未知の食べ物がたくさんあって、ひとつひとつ知っていくことが面白かったのです。

もちろん、そこで食べながら交わされる会話も、お食事の楽しみであることは言うまでもありません。

 

今も、美味しいものを食べることが嬉しいに変わりはないけれど、「あの味」、「あの料理」を自分なりに自宅で再現したりする方が面白い、愉しいです。

いろいろな味を自分の手で、という風に変わっています。これからますますどこにも行かなくなっていくのでしょうか。

 

でも友達と同じテーブルを囲むのは至福であり、それには外のレストランのが手軽で気軽ではあります。

はてさて、食べに行くという「時間」じたいが、だんだん貴重になっていくのでしょう。

 

年をとりつつ、食事に関しても、いろいろな段階を楽しんでいきたいものだと、思った夜でした。

さて、明日から、「冬の夜ひとりの旅人が」を読み出しましょう。 「乾杯 ! 」

 

 

くわ1 雨上がりの濡れて光っている緑の葉を、撮りに行こうと思ったら、

もう夕方。ふと見上げると、玄関の横の桑の実。

今年は早々と赤くなっていたのでぱちり。    

熟すと甘酸っぱくて好きです。

鳥が種を運んできたのか、自然に生育した桑の木です。   

 

 

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