みらいのそこ  [ホットケーキが焼けるまで 36]

2011年6月10日

 

どんよりと空気が重い日が多いです。

こういう季節は、イブニンとモーニンを相手にしていると、気も晴れ晴れしてくるのですが、彼らも人の子か?、最近は寄り付きもしません。困ったものです。きっと、公園の深い緑の葉陰の中で、午睡でもしているのでしょう。

 

「ああ、もうちょっと、眠りたいものだ」、というところでこの頃起きているので、昼間、突如として眠たくなったりします。

でも、毎日スカッとしないのは、なにか、達成感のようなものが少ないからかもしれません。

これは、3/11以来、ずっと続いていて、その感じが、疲労感をますます強めていくような・・・。

 

そんなときこそ、「ぼくたちには本がある!」と、読書にいそしみたいものですが、現在、集中力も欠け、ひさしぷりに真剣に読んじゃうかなみたいなカルビーノの小説をほうろうさんで見つけたのですが、せっかくなのだから もう少したってから、「まとめて夜明けまでに読了」の部門に分類してしまいました。

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でも、読みたいのだ。原発崩壊とかそういう類のもの、などもチラホラ参考に読んではいます。

読売新聞書評欄に「3/11~」というコーナーがあって、山之内獏詩集を、蜂飼耳さんが紹介していましたが、本当に、今、読んでみるといい本だと思いした。このほかの本も、いい選抜だと納得します。

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私は、本が好きというより、読むのが好きなんでしょう。みなさんもそうだと思いますが、自分と対話する時間がとれない時は、とりあえず読書をすることが、それにいちばん近づけるような気がするからです。

 

そんなことで、今は重い空気の中なので、本よりペラの印刷物をつい手に取ってしまうのですね。

できれば短いもの、短詩型は、楽です。しかし、私は、チラシとか、パンフレット、宣伝物のコピーなんかを、どんどん読んでしまいます。

新築マンションの広告とか、ユニクロのチラシ、雑誌の中吊り、化粧品のビラなんかもいいです。洗濯の注意事項、お菓子の袋のコピーなどを。

まあね。対話ではないけれど。

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さて、では新聞の場合。

書評はとりあえず読んでますが、楽しみなのは「歌壇」です。

世の中の人たちの心情が反映されていて、学べますし、生きる参考にもなったりするのです。

 

最近、読んでいて、あ、いいなと思っているうちに、なくしてしまった新聞をさがしていたら、ありました。

6/4付けの読売新聞 角川春樹「魂の一行詩」で選ばれた、俳句です。ちなみにたなかまりさんは四歳だそうです。 

 

ぼくたちは未来の底にすんでいる      たなか まり

 

そうだなぁ。そうだといいし、そうなのか。

「底」から、つい井戸を連想してしまいました。

夜、暗い深い井戸の底から上を見上げると、

まるい星空が見えるのだろう。

さぞかし、星々は美しく輝いていることだろうと、想像したりしました。

Img009藤娘b  

 

 

 

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