25日に三鷹市芸術文化センターに、谷川晃一さんの講演会を聴きにいってきました。
三鷹市美術ギャラリーで開催中の、谷川晃一展「南の庭のアトリエから」を記念した関連講演会でした。
谷川さんは20余年前に、東京から伊豆高原に宮迫千鶴さんとともに移られました。
そこで始められた「伊豆高原アートフェスティバル」の発端からこれまでの経緯、
その中で発見されてきた、正に「アートフェスティバルの不思議」なお話でした。
人が少ない地域である伊豆高原、別荘地におけるご近所との交流がアートによって素晴らしいものへと発展していったこと。
アマチュアが主体のアートフェスティバルは、全国ここでのみの開催であること、
自然の中で暮らすこと、触れ合うことの愉しさ、
リタイアした後のライフスタイルにとって大切な創作の魅力、
多方面にわたるお話の中には、これから年を重ねていく上で気をつけておきたいこと、
アートに対する考え、ナチュラルなモノの感じ方など、素(す)の生活に役立つテーマが満載していました。
また、飛躍するようですが、これは東北の復興にも参考になると思いました。
アマチュアの個々の活動は、そのうちに大きな力になりうるということです。
昔の上の世代の人が確か、連帯を求めて孤立をおそれずという言葉を尊んで言ってましたが、
私は常々そうではなくて、孤立を求めて、連帯をおそれず、じゃないかな、と思っていて、
谷川さんの話の中からも、そんなことなどをふと想ったりしました。
谷川さんは早口なので、この講演を文章におこしたら、400字詰め450枚くらいは軽くいっちゃうなー、とか思いつつ、飽きることなく一時間半びっしり、拝聴しました。
面白かったです !
きっと谷川さんは 「面白かったぁ」 という感想が一番、嬉しいのではないでしょうか。
相変わらず洒脱でどこまでも自然体の谷川さんでした。
三鷹市民ギャラリーの展覧会では、近年の作品、大きな船の絵が、観ていてとても気持ちよかったです。
そして、やはり時代時代に、相応された作品を、谷川さんは創っておられるのでした。
ギャラリーを後に、帰りがけの三鷹の商店街、素敵な古書店の店頭にあった瀧口修造の現代詩読本を買いました。
後ろの頁、一折分の片面が、白い (刷ってない) ヤレ本なので350円でした。得しました。
「瀧口修造の白と黒の断層」という幻戯書房(辺見じゅんさんが亡くなられました)他編集の美術評論が刊行されていて、
池内紀さんの書評を読んだら、とっても欲しくてたまらなくなったのですが、高価でなかなか買えません。なので、これで我慢我慢。
帰宅してこの読本をなんとなく拾い読みしていたら、ある画廊で開催された展覧会の写真が載っていました。
その展覧会のポスターは、谷川さんがデザインされたもので、今日、三鷹で見てきたものだったのでした。今日の{シンクロニシティ}でした。
谷川さんの講演会風景。
三鷹には長い商店街があり、素敵な古本屋さんもあります。
日本茶のお店などいろいろなお店がずーっと続いていて、大変いい雰囲気なのです。
長いまっすくな商店街、いいなぁ。また行こう。