どうにも不調でしかたがないので、思い切って東京を留守にすることにした。
一人旅は、昨年の十和田行以来でした。
■ 旅の窓から ■
⦅ 海を見に行く⦆
海を眺めていると言葉は消える。
「なぜでしょうか?」
「波のせいではないかしら?」
波を見ていると、地球は生きているんだと改めて思う。
呼吸しているような波。
海は液体でなく、
この中でさまざまな生物を生かしている。羊水のようでもある。
海はどこかへ繋がっている、とだけ思っていたのはいつの日だったか。
地球は丸いのだった。
満ち潮、引き潮の繰り返しに、
今は怖さを覚えてしまう。
ヒトも、かつて海から陸に上がってきたらしい。
故郷が恋しくなるのか。
望郷には愛と哀しみがある。
森では、
声なき声に、落ち着きをもらえるように感じるのだけれど。
海も森も、特段、勇気をくれるわけではないけれど、
それでいいのだ、と、ささやいてくれる。
⦅砂浜の足跡⦆
海岸散策。
砂浜に見つけた足跡。
人、犬、鳥。
空に知らせるご挨拶みたいです。可愛いデザイン。
ナスカの地上絵より偉大。
なぜなら、
もう二度と描けない、たったひとつ数十分の作品。
砂浜のアート。
ところで、上、鳥の足跡、主はカラスでした。
ちょこまかと砂浜で餌を探している彼(彼女)を発見。
捕食というより、遊んでいるように見えました。
なぜか
砂が盛り上がっている「裸足跡」。
こんなのあり?
もしかして、〈向こう側〉から
誰かがふみしめているのかも・・・。
砂浜世界ふしぎ発見。
⦅旅館に宿泊⦆
十畳和室、ちょうどいいね。
身のほど知らずの贅沢に
不安になりつつ。
読むために、昨年刊行された超有名現代作家の小説を持参したのは失敗。
山田風太郎の「風眼抄」にすべきだったな。
後悔の念に耐えず。
でも、勉強になった。
夕食、あまりに美味なバイキングで,
適量がわからなくなり、
かといって運んできたものを残す勇気もなく…。
夜、腹痛に襲われる。
調子わりぃ。
年齢と食い気と消化力のバランス、改善の余地80%
隠居初心者ひとりで反省。
⦅海辺の猫たち⦆
朝の散歩、たくさんの猫との出会いがありました。
ふと見れば、そこに君はいる。
わらわらと猫たちが。
「元気でネ」って見送ってくれた。
ありがとう。達者でやります。
みんなもね。
遠くにも一匹いますよ。みんな、なかよし。
ケムシ君も元気でネ。
・・・実は他にも猫たちの写真を撮りました。またアップしますね。
■ 旅の後 ■
⦅柚子⦆
旅しても、何ら変わらず、
疲れがさらに増しているような心と体。
帰る日があまりに冷え込んだ日だったので、
意を決して途中下車し、日帰り温泉に二時間立ちよる。
(これが効果的だったです。)
帰宅翌日、庭を眺めてみたら、
柚子がいっぱい落ちていた。
たぶん、ずっと前から。
おもむろに腰を曲げて拾ってみる。
隠居らしく。
まだまだきれいな実でした。
カットしてみたら、中身もなんてきれいな黄色なんだろう。
なめてみたら、酸っぱくて美味。
レモン代わりにドレッシングに使い、
傷んでいるものは
お風呂に入れて柚子湯にした。
これまた温まって、お肌すべすべになった。
こうして旅は、一つの区切りとして、
私の中に定着した。
⦅切り株⦆
旅の数日後、久しぶりに公園へ。
お気に入りの木に会いに行く。
大きな木は、伐採されていた。
こちらも。
切り株を眺める。
何年モノなのかな。
なぜ伐採されたのかな。
生育環境なのでしょうかね。
でも、きっと芽がまた出てくるね。新緑の季節はやってくるのだから。
午後5時、夕刻の空気にそれを感じます。青白く、さわっと冷えた空気です。
柚子に続き、
梅が実を膨らませている。
杏も負けていない。ふっくらと。
ひと雨あれば、もうすぐ収穫。
雑草も生育…。
プチ隠居も終わりに近づいてきたようです。
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「ホットケーキ」100回満了。
読んでくださっている皆さんのおかげです。
創立記念月を迎え、101回から、お引越します。
装い新たに、再見~!!